WORKS 
 

■2nd Japan Art Scholarship■



これは東京青山のスパイラルの直径20m、高さ16mの円筒型の空間で毎年行われているインスタレーションのコンペに参加したものです。以下はその時の設計趣旨です。

ほぼ10m四方の範囲に、長さが1.5〜5m程度の、それぞれ異なった固有振動数(音)を持つアルミニウムパイプを床上12mおよび7mに設置した格子天井よりワイヤーによって垂直に吊り下げる。それぞれのパイプは互いに50cmの間隔を持った正三角形をなすように配置する。


このパイプはそれ自体がタッチセンサーとなっており、人やほかのパイプが触れるとその下端についている照明が数秒間薄暗い空間の中に微かに点灯する。

人々がこのパイプの中に分け入り横断する時、彼(女)等の動きは微かな光の連なりとして表され、そして時にパイプ同士の触れあう音がこだまする。

結果として、演奏者であるところの彼(女)等は本人が意識するしないにかかわらずいくつかの入力データ(x1,x2,x3...xn)としてとらえられ、このメカニズムFを通して出力データ(F(x1),F(x2),F(x3)...F(xn))へと変換される。入力データ相互がまったく独立している以上、出力データもランダムな予期せぬものとなる。つまりこのメカニズムは音の秩序を求めるものではなく、音のカオスへと向かう。にもかかわらず音が音として、音が音楽として知覚され、彼(女)等も含めた第三者の中でそれぞれの風景が立ち現れる。