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■備前岡山・京橋朝市交流館■


これは岡山建築士会等の主催で1992年に行なわれた設計コンペに参加したものです。 敷地は奥行きの長い長方形で、地上階はその対角線で分けられる右奥の3角形、最上階はほぼ敷地いっぱいの正方形という形状で、ギャラリーや会議室・事務室などが所要室として求められました。以下はその時の設計趣旨です。


朝市の特徴というものをあげるならば、それはその仮設性と偶発性にあるといえる。仮設性は早朝より路上で行われる ということ、偶発性は生産者と消費者、都市住民と農漁村住民の出会いに現れる。この仮設性と偶発性というのは都市 の最も基本的な要素である。つまり朝市とは都市機能の原形であるということがいえるだろう。

この計画は「都市と交信する物体」を創り出すということから始まった。都市の裂け目である広場に面する3次元曲面 の外壁はアルミパネルで覆われその季節の、その時間の街の空気を映し出す。朝には朝の活気が映り、秋には秋の落ち 着きが感じられる。陽が暮れたあとも地階の事務室から光が広場の床面となっているトップライトを通して夜の空気を 見せてくれる。

その時、その瞬間にしか見ることのできない風景がそこに描き出される。

また、この3角形の広場は人々をその奥へと誘い込む。道路の延長として、朝市会場の一部としてはもちろん、それに 付随する様々なイベントにも交流館の各機能と一体化して柔軟に対応することが可能である。また、それ以外の時間に おいても街のポケットパークとして都市のひとつの拠点となる。この単純で力強い動きを持った形態は京橋朝市の活性 化のみならず、岡山という都市全体の新しき展開へのきっかけともなるだろう。