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この住宅は東京都世田谷区の比較的交通量の多い幹線道路から少し奥に入った比較的緑の多く残る古い住宅街に30代夫婦+子供2人のために計画された。周辺では土地の細分化・建物の高層化が進み、この住宅も幅員4m程度の道を隔てているとはいえ、南側・東側には3階建の住宅が、南西側には4階建ての事務所が建っている。
設計開始当初はこの敷地で建築可能な最大限のボリュームを確保するべく検討を重ね、厳しい北側斜線や道路斜線を考慮したスキップフロア形式の地上2階+半地下という3層構成の提案を行なった。しかし設計を進めるうちに半地下部分があることや斜線のために最上階には建築面積の1/3程度の床しかとれないことなどが気になってきた。もちろんこういったことは床面積に対して建設費が高くなるということもあるが、それ以上に建物のあり方として少々不自然ではないかという気がした。
今回のような30坪程度の敷地で住宅を計画する際に、建物の規模が敷地の建蔽率や容積率あるいは施主の経済状況によって決定されてしまうことがある。多くの場合そこには施主にとって本当に必要としている規模はどれぐらいかという視点が欠けている。今回の3層構成の提案もそのような流れの中で生まれてきたものだといえる。
幸い今回は施主に理解があり設計期間に比較的余裕があったため途中で方向転換をすることが出来た。半地下部分をなくし3層を2層に組立直し、2階の共有部分は基本的に一室とし天井高さにも余裕を持たせたおおらかな空間とする一方、1階の寝室等の個室の面積は必要最小限に抑え床面積を3層の案より30uほど減らした。このことは結果として採光・通風のための中庭や周囲とのバッファーゾーンとしての2階テラスといった半外部空間を設けることを可能にした。2階居間のテラスに面する部分は全面開口とし、テラスを視覚的にも機能的にも居間を補完する場所として位置づけている。この大開口には西日対策として遮熱ガラスを用いているがテラス上部に簾等を設置することも可能である。
また、1階の子供室には引き戸を用い、階段は比較的緩勾配の直階段とするなど住宅全体が何となく連続した空間になるように配慮した。引越業者がとても作業がしやすいと言っていたという話もこういったことと無関係ではないと思われる。
住む人にとって安全な材料を用いるというのは当然配慮されなければならないことであって、ことさら健康住宅云々等というつもりはないが、この住宅においてはほとんどの内壁に珪藻土を採用し木部の塗装には日本オスモの塗料を使うなどのシックハウス対策を行なった。その結果、新築に特有の臭いが全く感じられずその効果は想像以上であった。
HOUSE DAIは敷地条件も家族構成も東京近郊に建つ住宅としては平均的な住宅だと言える。その中で、2階居間や中庭といった都市住宅のスタンダードな手法を用いて設計されたこの住宅は特に強い個性を持つわけではないが、全体としていろいろな点でバランスのとれた気持ちのよい住宅となったと思う。
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